疲弊してく。小さな希望を見つけて拾って、いつも以上に感謝しながら大切にしながら受け止めているけど、追いつかないくらいに気持ちが踏みにじられて絶望に呑まれそうになる。もはや恐怖や不安ではない。憤りと悔しさでしかない。
問題の当初、憎むべきは人ではなくウイルスだと盛んに声をあげる人がいて、その通りだと思っていた。感染者を責めても仕方がない。団結してウイルスを撲滅すべきだ、と。
でも、今の状況はどうだろう。無自覚と無知と利己的な行動をやめない人々は何を考えているんだろう。本当に同じ人間なの?
公演や舞台が次々中止され活動の場を奪われたアーティストでさえ、本来はプロモーションや広報のために設けたアカウントで警鐘を鳴らしている。自分の言葉で訴え、呼びかけ、願っている。それなのに、ああ、絶望するような報道ばかり。一人一人のエゴが誰かにとってかけがえのない人の命を奪う引き金になることを、どうして食い止めようとできないのか。
もう一ヵ月かな、外出を生活圏内の最低限の用事に留めている。楽しみも刺激も新しい経験もない。誰かに話したくなるような話題もない。でも、これまでずっと共に暮らしてきた家族と(ろくに話もしてないけど)過ごす時間が増えて、何も起こりはしないけど当たり前の日常が続いていることが急にありがたく色鮮やかな幸せに思えて、ふとした瞬間泣きたくなることがある。まだ、失いたくない。この人たちを、苦しませたくない。
明日は今日より少しでも世界が変わっているように、毎日そう思いながら眠りについている。今以上の自粛生活だって耐えるからどうかお願い。いま一つ願いが叶うなら、何もいらないから、穏やかな日々を早く返して。