ないんだが、界隈が進撃ラストネームにざわめく中、自分の心境はというと「ようやく楽になれる」だった。生き甲斐がなくなる、何を楽しみに生きればいいのか、という声をよく聞くし、実際数年前の自分もそうだったと思う。ここまで追いかけてきたリヴァイのことだって、もし今月号で死ぬことにでもなれば自分は平常心を保てない、と毎月思っていたし、怯えていた。生き続けて欲しかった。
けれど今はもう、早く解放されたい、或いは解放してあげたい。自分も、彼らも。
そろそろこの辺りで終わらない絶望にピリオドが打たれ、残された我々が『もうひとつの生き方』で自由に生きる彼らの姿を想像するだけの日々となってもいいのではないか。何度も何度も世界を変え時代を変え想像した、もうひとつの生き方、を。
あまりに人生を揺さぶられ過ぎた。決して後悔はしていないけれど、知らないでいれば幸せだったかもしれないと最近は思う。無知の幸せ。愚かな幸せ。それでも、苦しみや痛みを想像し続けながら心を焼く時間よりは幸福だったかもしれない。
けれどもそれはもしもの話。知ったからには、見届けなくてはならない。最後まで、つきあうよ。