忘れられない回がまた一つ。忘れられない台詞がまた一つ。
「俺たちがどれだけ仲間を殺してきたか」
「知らねえだろうに」
抑揚のない、息も乱さず云ったのだろう。部下思いとは、可哀想だから殺せないなんて言う甘っちょろい感傷的な次元のものではなくて、殺したことによる重荷を背負う覚悟なのだと思う。守れなかったこと、犠牲となって死にゆくさまをどうすることもできなかったこと、選択の結果命を落とさせてしまったこと、どれだけの瞬間が頭をよぎっていた知れない。「まだそこにいるのか、お前ら」が本当に切なかった。殺すと決めた瞬間の表情が本当に切なかった。あのアニメ独自の演出、瞬きを想わせる一瞬でもあった。
折角きれいに終わらせられると思ったのに、やっぱりまだ無理だ、と思った。写真集3作目はまだ出せない。破滅に向かっているかもしれないのに、まだ生き、まだ思い、まだ抗い続けているその姿から目を離して、勝手に完結することができない。
暫く捏造の撮影が楽しくて仕方がなかったけれど、今はただ、ほんの欠片でもいいから近づきたい。この思いを表現する術が欲しい。
生々しく血濡れて生者の抗いを、背負った死者の気配を振り払いもせずに、まだ死ねないのは果たしてどちらだ。
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