初日レイトショーで観てきた。楽しみで観たくて仕方がなかったのもあるが、それ以上にGOODSの心臓トートバッグが欲しかった(笑)真紅。心臓。ナイフ。相変わらず自分の趣味もわかりやすいなと思った。…というか、映画の世界観自体言ってみれば酷い厨二感満載なわけで、原作未読の身としては監督の趣向を思い切りぶち込んで【好きに作った】のであろうことが気持ちいいほどによくわかった。気持ちがいい。その一言だろうなと思う。自分の好む世界観の徹底。潔い。
ストーリー云々よりこれは蜷川氏の【動く写真集】である、と評している方がいた。他人の感想を引用するのはよくないと思いつつとてもしっくりきてしまった。写真家ならではのアングルや色彩、リアルでありながら非現実的な演出、画面。これは確かに写真に似ている。さらに言えば撮影映えする衣装(この衣装選びは監督の趣味丸出しなのだろうなと思った。非常にいい)、絶妙なる表情の一瞬ずつを連続コマ撮りで切り取ったようなシーンたち。インタビューで監督が語ったという【藤原竜也を一番かっこよく撮れるのは自分でありたい】という言葉に嘘はないと思った。彼だけではない。玉城ティナも窪田正孝も…あっ、あと小栗旬も(笑)。
顔の美醜は別の問題として(自分は【顔がいい】という表現が大嫌いで非っ常−−−−に嫌悪している)人間はこんな表情ができるものなのか、と感嘆する思いでいっぱいになった。もっといえば、こんな表情を浮かべるほどに精一杯生きたことがあったか?とも。死んだような目をしていていいはずの世界に生きる人間たちがもっとも生に近い眼をしていた。なんてことだ。
そう、作品の完成度としては、曲がりなりにも何本も映画を見てきている立場から言わせてもらえば100点満点ではないと思う。けれど確実に言えるのは【こんなの見たことない】だったし、【こんなに人を魅力的に撮れるものなのか】だった。どの俳優についてもそのキャラというテーマにおいて最高の姿がフィルムに収められていたと思う。この俳優の魅力はここだ=この被写体の好きなところはここだ、と明確に可視化されているというのか。そういう意味で、やはりこの作品が【動く写真集】と評されていたことに頷かざるを得ない。悔しいけど。
そして。藤原竜也と窪田正孝、いいなぁ!ST以来だよ超よかった!!!…以上